親子留学

留学というと単身で子供だけが外国へ行くの一般的でしたが、ここ10年ほどでぐんと増えてきたのが親子留学というスタイルです。短ければ一週間、長ければ5年以上、と目的やスタイルも様々ですが、共通点は親子一緒に外国に住むということです。高校生以上の場合は単独渡航できますが、小中学生は単独では不安と考える保護者、通常は母親が、子供達について外国へ行きそこで一緒に生活するこの親子留学スタイルが増えた理由は、「英語を始めるのは早ければ早いほどいい」という考えが主流となって来たからです。

中1からでは遅すぎる、と英語教育が小学校にも取り入れられ、英会話スクール通いも空前の大ブームです。英会話スクールや公文式で英語を習っていない人は、探さないと見つからないほどです。そして留学の若年化が進み、いよいよ保護者も巻き込んでの留学がじわじわ増えてきたというわけです。
親子留学の利点は、親の目が行き届くため安心であることです。また、小さい子達は語学も文化も習慣も何もかもまとめて体得しますから、確かに目に見えた効果が実感しやすく、大満足で帰ってくるケースがほとんどです。
ただ、滞在が長くなればなるほど問題点も深刻になります。

まず、ほとんどの場合父親は日本に残るので、家族はばらばらです。単身赴任家庭が多い日本ですから、逆単身赴任ととらえればそれほど不自然なことではありませんが、「そこまでする必要があるのか」という意見ももちろんあります。
もう一つの問題点は子供たちの外国人化です。大きな身振り手振りで堂々と話す様子は、外国にはご縁がなかった人にはかっこよく見えるかもしれませんが、一方で日本人らしい奥ゆかしさや恥じらいを完全に失うケースもあります。決して珍しい特殊なケースではありません。本人や家族が気にしていなければそう大きな問題ではありませんが、本当にそれでいいのか、と考えた時、良いとも良くないとも言い難い複雑な問題です。

それに伴い起こってくるのが日本語の問題です。日本語が話せないようになるのは論外ですが、「日本語では細かいニュアンスが伝わらない」「英語の方が楽」というくらいなら十分一般的に起こってくることです。母語である日本語が確立する前に英語を本格的に導入する際は非常にそのバランスが難しくなってきますが、せっかくの留学ですから、100%英語にどっぷりつかりたいという心境もわからなくはありません。そうなると常に、失うものと得るものを天秤にかけつつ、どちらを取るかを選ぶ究極の選択をしていかなくてはいけなくなります。
とは言え、タイミングとバランスさえ見計らえば親子留学は非常に有意義で効果的です。経済面で問題なければ是非試してみる価値のある留学スタイルです。

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