留学と駐在の違い

入学試験を帰国子女枠で受験するに当たり、一部の学校では留学と駐在を明らかに別物として区別しています。一番のポイントは、「行きたくて行ったか」「仕方なく行ったか」です。仕方がなく入った場合は「かわいそうなケース」とみなされ、優遇されます。行きたくて行った場合は特に配慮する必要はないとみなされます。

帰国子女を優遇する一番の目的は、親の都合という不本意な事情でまっとうな教育を受けることができなかった子供を助けることですから、海外へ自ら飛び出していったケースはこれにあてはまらないからです。ここを非常に重要視している学校の場合は、駐在であるという証明のために父親の所属する企業が正式に発行した書類が必要であったり、父親のビザのコピーが必要であったり、厳しく事実確認を行います。
駐在員の家族として外国に滞在した場合は、英語圏である場合もあればそうでない場合もあります。上海やドバイ、タイなどにも多くの日本人駐在員家庭が滞在していますから、それらの地域からの帰国子女の場合、現地の言葉と英語の両方をこなすケースも少なくありません。また、家族が一緒に住んでいるため、より地域に密着して暮らしている場合も多く、意外と留学生よりも経験豊かであることすらあります。

そのため駐在員家族として現地で過ごした子供達は、英語やそれ以外の言語、現地経験を大いに重視され、一昔前までの「かわいそう」という一般認識とは違い、「語学堪能で適応能力がある」と非常に高い評価を受けて始めています。時代はグローバルですから、そういった経験を積んだ人材こそが求められる傾向にあります。
留学生徒は違い、いわば本物の帰国子女ですから、本物しか認められない学校でも帰国子女枠で入学が可能です。

一方留学生は、そのまま過ごしていたら本来海外に出る機会など無かった人が自ら進んで海外進出するわけですから、駐在員家庭よりも貪欲に現地生活を満喫する傾向にあります。そのため日本語や日本文化を捨てて現地文化を全身で吸収しようとする傾向にあり、ともすれば帰国子女よりも外国人化して帰国します。

一年の交換留学から帰国した学生を「リターニー(帰国子女の英訳)」と呼ぶ団体もありますが、これらの学生は実際は帰国子女ではありません。留学経験者と呼ぶべきです。そのため帰国子女枠受験は本来認められていませんでしたが、徐々にこういった留学経験者も同じように帰国子女枠受験できるようになってきました。日本の学校へ外国の風を吹き込むという意味では同じだからです。
もっとも、そういった学校であっても、入学後「帰国子女の集い」などへ行こうとすると、参加条件に「留学経験者は含まれません」と明言されていることもありますから、やはり本来の定義通り、留学経験者と帰国子女は全く違ったものであるという認識は今でも根強く残っています。

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